秋山邦晴/秘蔵テープ作品集1(omega point)
全3曲収録の眠っていたテープ作品発掘音源集。
66年作品1は自動演奏装置なるものを使用し変なリズムを刻む具体音にリヴァーヴの残響。
63年作品2は日生劇場こけら落としの模様をナレーションから客席の声から全部録音した
ものをテープコラージュでミックスしていじくりまくって…
71年作品3はホワイトノイズと具体音をコラージュしていったノイズ作品。
どれも現在に通じるもので、全く古臭さを感じさせない過剰さが素晴らしいです。


■CHRISTINA KUBISCH / VIER STUCKE(EDTION RZ)
ボウルにビー玉入れてヴォコーダーで音を変形させてゆく1、複数のマウスの音をコンタクトマイクで
拾って微細なノイズを聴かせる2、様々なベルの音のループの3、戸の開閉音みたいな音のへんてこな
テープコラージュとアコーディオンが絡む4など、4つのインスタレーションの模様を収録した作品集。
洗練された音で幻想的な世界を展開していく。


IANNIS XENAKIS / S/T (EDITION RZ)
60年代の管弦楽、といっても、かなりの圧倒的な凄まじい音で、特にドラムの激しさに圧倒されるNOMOS GAMMAなどの代表曲を収めたディスク1と、71年制作、初演版によるPERSEPOLISとPolytope de Clunyの激烈なコンクレート曲、2曲を収めたディスク2。全曲すごすぎます…EDITION RZ編集盤2枚組。


■MORTON FELDMAN /S/T (EDITION RZ)
50-70年代録音のピアノ曲集。フェルドマン自身のピアノから、デヴィッドチュードア、そして
AMMのジョンティルバリー、コーネリアスカーデューによるピアノなども収録した素晴らしい編集盤です。
音の隙間、そして残響音。スリリングで美しい静寂、不確定な演奏に引き込まれる。


■DAVID TUDOR / MUSIC FOR PIANO (EDITION RZ)
ピアニストとしてのチュードアに焦点をあてた、濃密な編集盤2枚組。ジョンケージの不確定性音楽に
基づく作品での、チュードアによる力強い打鍵に背筋が凍てつく…。その音色もインダストリアルノイズ同様の硬質さで、焦ります。内部演奏の激しいノイズ作品、変奏 第2や、プリペアドピアノ作品、さらにケージとのデュオなども収録。


■DAVID TUDOR,GORDON MUMMA / S/T (NEW WORLD)
チュードアのライブエレクトロニクス、ムンマのピアノ作品を収録したもの。ムンマのピアノ作品も
相当素晴らしいのですが、チュードアの68、69年作品RAIN FORESTに尽きます。それぞれ20分、41分
という長尺のライブで放出される、鳥や昆虫の音に電子変調を加えた電子音を、4チャンネルのスピーカーから出力したという濃厚なアナログ電子音に圧倒されます。


■WALTER DE MARIA / DRUMS AND NATURE
元々ヴェルベットアンダーグラウンドのドラマーで、フルクサスのアーティストでもあるウォルターデマリアのランドアート作品(自然の素材を用いた美術作品)2曲収録。波の音が延々と続き、後半徐々にドラムの音が被さってくるおもしろい展開の68年作品OCEAN MUSICと、ドラム演奏の後に徐々に虫の音が絡んでゆく64年のCRICKET MUSIC。この時代にフィールドレコーディングを行っていることに吃驚。そして当然、ドラムも、とにかくミニマルに絡む。


■OREN AMBARCHI / GRAPES FROM THE ESTATE (TOUCH)
2004年リリース作品。全4曲55分。全編ギター音中心の作品で、持続音、ドローン系ながら、鋭利な音色と
抑制を効かせて展開しつつ、オルガンやドラム、ピアノ、ベルなども使って時折リリカルに聴かせるという
名作。


■CHRIS WATSON,BJ NILSEN / STORM (TOUCH)
とにかく音が強烈です。余りに音が良く、生々しく聴こえ、爆音で聴いてたら本当にそこにいるかのように
聴こえて来る程の臨場感。そして自然音のノイズに圧倒される。嵐と荒れた波の音。そこから逃げていく鳥の群れの羽の音、鳴き声…。スカンジナビアを襲った自然災害をテーマに製作したフィールドレコーディング作品。2006年リリース作。


■ANDREY KIRITCHENKO / mort aux vaches (staalplaat)
微かなフィールドレコーディング音をバックに、目眩を起こしてしまいそうなうねりと、包み込みまとわりついて押しよせて来る音の波にクラクラしてしまうほどのドラッギーな音色のギターが重なる42分全1曲の、スタジオライブ作品。中盤での爪弾かれるギターの美しさや、バックのフィールド音が徐々に広がっていく様にも引き込まれる。


■ROAM THE HELLO CLOUDS / NEAR MISSES (~scape)
BACK GROUND等からのリリースで知られるDAVE MILLERとTRIOSKのドラマーLAWRENCE PIKE、ジャズトランペッターPHIL SLATERの3人によるジャズ+エレクトロニクスユニット。セッションによる演奏のスリリングさと、その演奏と電子音の絡みを少々ダビーな音色で展開していく。


■BURNT FRIEDMAN & THE NU DUB PLAYERS / JUST LANDED (~scape)
2000年リリースのバーントフリードマン名作が再発。ボーナストラック3曲追加。今も全く色あせないのは、抑え気味のダブ処理、クールな演奏、そしてリズムのグルーブ。ジャズ+レゲエ、ダブをミックスしたセンスの良さに改めて気付く。


■SUNROOF! / PANZER DIVISION LOU REED (VHF)
面白いタイトルのサンルーフ2007年作。メタルマシーンミュージックからなんでしょうか。
マシューバウワーのいつもの激しく爽快でキラキラしたノイズに、mick flower(vibracathedral orchestra)、john moloney(sunburned hand of the man)が参加し、ドラム、ギターを加えてサイケに展開する1曲目の他、全編攻撃的で激しいノイズが炸裂する。mattinも参加してます。
アカデミックな音を全否定するかのようなサイケ感が最高です。


■MIMIR / MIMYRIAD (STREAMLINE) CD
■MIMIR / MIMIR (STREAMLINE) CD
2つとも再発盤です。
ミラーとかのクリストフヒーマンを中心としたユニットでサイケ〜ドローンをやってます。
2枚ともかなり良いです!MIMYRIADにはジムオルーク、レジェンダリーピンクドッツエドワードカスペルとかもメンバーとして参加してる。


■ODD NOSDAM / LEVEL LIVE WIRES (ANTICON) CD/LP
クラウデッドのオッドノスダム新作。前作路線のノイズの嵐とブレイクビーツや、逆回転ループに変なビートとか、オッドノスダムならではのサイケな内容。


■TAPE & MINAMO / BIRDS OF FEATHER (HEADZ) CD
テニスコーツと共に札幌にも来てくれる、スウェーデンのテープと、フォーカラーでお馴染みの杉本さんもメンバーのユニット、ミナモの共作。合計人数が7人とは思えないほどシンプルな抑え目の演奏と、デリケートさと力強さが両方ある、理想的なセッションを繰り広げてくれる全6曲入り。生演奏でのメロディックなフレーズのミニマル。音の出入り、一つ一つの音の重なり合いに引き込まれる。
目の前でこんなライブされたら…ライブがとにかく楽しみになってきます。


■GUISEPPE IELASI / AUGUST (12K) CD
テープのメンバーのレーベル、hapnaでのリリースで知られるイタリア人、ジュゼッペイエラシの12kリリース作品。ギターを中心に、ハモンドオルガン、シンセ、ピアノ、短波ラジオのノイズなどを重ねていった音がとにかくきれいでほのかにメロディックなドローン/持続音/ミニマルを展開。


■ERIC COPELAND / HERMAPHRODITE (PAW TRACKS) CD
アニマルコレクティブのレーベルよりリリースの、ブラックダイスのメンバーERIC COPELANDのソロ作。スペーシーでサイケな音がピュンピュン飛び交う変態アルバム。最高です。


■DUANE PITRE,PILOTRAM ENSEMBLE
/ORGANIZED PITCHES OCCURRING IN TIME (IMPORTANT) CD
カメラオブスキュラのギタリストduane pitreによるアルバム。ギターのほか、バスクラ、アルトサックス、ヴァイオリン、パイプオルガン、チェロ、ヴィオラのメンバーを配してのバンド形態の演奏による生々しい音がドラッギーな、ドローンアンサンブルを聴かせる長尺2曲!