dj klock / san (clockwise recordings)



dj klockの3枚目の作品(turntablush作を入れて4枚目)はより一層奥深くに
行ってしまった問題作で大傑作です!生々しくローファイで真直ぐな音の響き
で、音の選び方も今まで以上に個人的なもの。しかし郷愁を感じるメロディは
今まで以上にあり、音と理想的な形で同居していて、アナログ感のあるデジタ
ルな音色、生演奏と電子音のミックス加減、立体感のある構成とリズムの遊び
感覚、それぞれが他に無いクロック独自の感覚で、それをより深く突き詰めて
いることが今まで以上に伝わり、聴き手を飽きさせないスリリングさの増した
全15曲74分34秒なのです。必聴です!

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「san」にまつわる1、2、3

以下、clockwise recordings HP/BBSより!!


Ropeadope(www.ropeadope.com)より、dj klockのUSデビューが決定!
dj klockのニューアルバム「san」リリース!


0.「san」にまつわる1、2、3


1. 2004年、初めてdj klockのUSツアーが行われた。そのツアー中もっとも手応えを感じた場所、ブルックリンでのDJをライブ録音したものがdj klockのミックステープ「direction of rainbow」。その翌年、dj klockがturntabrush名義で制作した「view of rainbow」をリリース、ターンテーブルだけで作曲したCDアルバム。そして2006年、dj klockの12インチ「rainbow ep」の完成で、3年にわたったプロジェクト、虹三部作はようやく終了した、かに思えた。だけど、「rainbow ep」は新たにはじまるdj klockという音楽への伏線、つまり、dj klockのニューアルバム「san」への入り口だった。


2. 虹三部作で3年間ずっと一緒にコラボレートし続けたNY在住のアーティスト、kenji hirata。彼は3作品すべてのカバーアートを手がけた。どちらか一方が音を作って、もう片方が絵を描く……なんていう、共同作業とは名ばかりの、単なるコラボレートでなかったということは、turntabrushのアルバム「view of rainbow」を体験してもらえればよく分かってもらえると思う。ふたりの手と感性が複雑に、そして絶妙に構成し合いながら、音が作り出すタテモノの中に突如入り込んでしまった……、そんな不思議な感覚が楽しめる。2005年、dj klock、2回目のブルックリン。dj klockkenji hirataとpalabritoの3人によるコラボレートが実現。3つの個性はtiemporachasとなって、新曲を収録、音と言葉と絵の三角形を描く。と同時に、3年間にわたる日本とニューヨークの往復の記録もまた、ここに描かれている。


3. そしてもうひとつ、新たな3人によるプロジェクト、triloの登場。主なメンバーはdj klockとmanimaとsssの3人、dj klockの新たなバンドのスタートだ。先日、rumraketよりEUリリースされたcacoyのアルバム「human is music」から連続するチャイルディッシュで遊び心満載な雰囲気や、生楽器特有のふんわりとしたあたたかな感じを残しつつも、cacoyのみならず、これまでのdj klockの音世界自体にあまりなかったピンと張りつめるようなクールでドライな空気感に至るまで、さまざまな音のプリズムを展開している。


2006年、dj klockのこのアルバム「san」、そしてアルバムに先行してリリースされるdj klockの12インチ「rainbow ep」は、USのレーベル、Ropeadope (www.ropeadope.com)よりリリースされることが決定。Ropeadopeのスタッフが、dj klockの音を耳にし、コンタクトを取ってきたのがそのはじまりだった。Ropeadopeからは、これまでscratch (the roots)、king britt、medeski, martin & wood、dj logic、jazzanovaなどの作品がリリースされている。Ropeadopeとdj klock、少し意外な取り合わせのように思える。だけれども、dj klockのDJ然り、単なるDJというよりはむしろ演奏者にも近い彼の感性が彼らを惹きつけたのかもしれない。そんな縁もあって、今年またdj klockは3回目のUSツアーを行う予定だ。